名盤のサマリー
音楽の父ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が、それまで独奏楽器としては注目されていなかったチェロの可能性を見出し、無伴奏のチェロ組曲を作曲。
バッハがこの曲を作曲した当時は楽器も今のものとは異なっており、5弦チェロ向けに作曲されたものを現代の姿4弦チェロのために編曲されている。
無伴奏チェロ組曲にスポットライトを当てたカザルス(vc)は外せない。
彼の12年に渡る当楽曲の研究と演奏技術研鑽によって、ショーピースとしてはあまり演奏されてこなかった当曲の知名度を大きく向上させ、現代においても金字塔名盤として遺されている。
録音について
作曲者・曲名 | 無伴奏チェロ組曲 |
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演奏形態 | チェロ独奏曲 |
ソリスト | パブロ・カザルス(vc) |
指揮者 | なし |
オーケストラ/伴奏 | なし |
録音年 | 1936-1939年 |
レーベル | EMI |
名盤チャート
名盤ポイント
陶酔感から醒させない神秘的なチェロの弦の鳴りというものを、カザルスで初めて経験した。音が深海に潜るように深く、そして柔らかく、深淵な低音の世界に誘われる。
録音は古く鑑賞が難しい盤ではあるが、全6曲を通して余計な色付けはなされず、極限まで無駄を排した琴線に触れる一音一音の積み重ね。
極めて楽譜に忠実な演奏に徹することで曲の美しさが際立っている。いつまでも目を閉じてカザルスを聴いていたい、そう思わせる名盤となっている。