ピアノ名盤

【名盤】カサドシュ(pf) セル(c) コロンビア交響楽団/モーツァルト・ピアノ協奏曲第24番

名盤のサマリー

モーツァルトが書いたピアノ協奏曲全27曲の内、短調は1875年の20番と、翌1876年に完成したこの24番の2曲。好みが大きく分かれる楽曲。

この24番は、様々な哀愁が感じられるメロディライン、重低音の凄みが効いた壮大なオーケストレーションが特徴で、天才モーツァルトが作曲活動の円熟に達した音楽を聴くことができる。

モーツァルトのピアノ協奏曲は多くの名盤がある中で、巨匠カサドシュ(pf)とセルの自然な掛け合いが必聴。ピアノにオケと共に高度に磨き上げられた個々の音が高い次元で自然と調和し、曲の輪郭がとてもクリアになっていて後味もさっぱり。何度聴いても飽きない名盤となっている。

↓該当の曲は#1-3

録音について

作曲者・曲名 モーツァルト・ピアノ協奏曲第24番
演奏形態 ピアノ協奏曲
ソリスト ロベルト・カサドシュ
指揮者 ジョージ・セル
オーケストラ/伴奏 コロンビア管弦楽団
録音年 1954
レーベル Columbia

名盤チャート

名盤ポイント

カサドシュは軽快かつ自然なテンポで弾き進め、しっかりと粒だった音を堪能できる。

演奏自体は必要以上に演奏家の強い個性が全面に出てくることはないが、的の真ん中を正確に弓矢が射貫くような芯の強い音は聴いていてとても心地よい。第一楽章終わりカデンツァ(ピアノ独奏部分)の冒頭部分、左右の指圧も均等でダカダカと駆け上がっていく音符の疾走感もカサドシュならでは。

オケに注目すると、セルが率いたコロンビア管弦楽団(終生「自分の楽器」と言わしめたクリーヴランド管弦楽団の選抜メンバーらしい)も各楽器は聞き手が鳴って欲しいように鳴っている。

別の言い方をすると各楽器音は芯がしっかりとしており、低い重心でピアノを演出する一方でオケとしての動きはとてもクイック。鬼軍曹セルの統率、指導力の賜物だと思われる。

1965年にクリーヴランド管弦楽団と再録音された盤もあるが、個人的にはテンポも遅く、ピアノとオケの一体感が相対的に物足りなく、録音状態が悪いもののこちらの1954年盤の方が好み。

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