名盤のサマリー
ショパン(1810~1849)、前期ロマン派時代を築いた名ピアニストが遺した、2つあるピアノ協奏曲の内、最初の作品。
若くして母国ポーランドを離れるも、パリの社交界で名声を博したショパン。
ポーランドを離れる数か月前のメランコリックな内面を、繊細かつ華麗なメロディに昇華させた名曲(ショパンが若干20歳の時の作品)、ベートーベンやチャイコフスキー、グリーグの作品と共に、4大ピアノ協奏曲のひとつに数えられている。
それを演奏するのが、現代最高の女流ピアノストとして君臨するマルタ・アルゲリッチ。
彼女特有の迫力に満ちた音色と、鮮やかな音楽表現によって曲の輪郭を鮮明に描き出し、表面的な装飾や節回しを極力排除し、濃密な一音一音が、ショパンの胸の内を体現しているようにも感じ取れる名盤。
楽曲は#1-3
録音について
作曲者・曲名 | ショパン・ピアノ協奏曲第1番 |
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演奏形態 | ピアノ協奏曲 |
ソリスト | マルタ・アルゲリッチ(pn) |
指揮者 | クラウディオ・アバド |
オーケストラ | ロンドン交響楽団 |
録音年 | 1968 |
レーベル | Grammophon |
名盤チャート
名盤ポイント
鮮やかで音の粒の揃った指運びと、オーソドックスながら疾走感溢れる早めなテンポ、聴きたい音を聴きたいタイミングで届けてくれるアルゲリッチサウンド、ただただいつまでも聴いていたい心地よい演奏である。
1965年にショパンコンクールで華々しい優勝を遂げた3年後の録音で、当時24歳の鋭い感性と卓越された技術を存分に楽しめる名盤、アルゲリッチの”じゃじゃ馬”感を体感することができる。
元旦那のスイス人指揮者デュトワと、1998年に録音した名盤もあり、こちらは1968年盤とは異なり、アルゲリッチの円熟した情緒溢れる演奏を楽しめるので、比較して聴くのも面白い。