名盤のサマリー
フランスのヴィオラ奏者H.Gカサドシュによって作曲されたヘンデル風のヴィオラ協奏曲。
「ヘンデルの様式」と曲名になっているくらいで、バロック時代の大作曲家ヘンデルが作曲した曲ではない。あくまでヘンデルっぽい曲だが、当時はヘンデル作曲として世間に発表されて贋作(作曲家が違う偽物の作品)と見なされた歴史がある。
それはさておき曲自体はとても素晴らしいです。20世紀最高のヴィオリスト、プリムローズのお気に入り楽曲として、いぶし銀の音色と甘美な曲調とのバランスが素晴らしく色気に満ちた名盤。
↓該当の曲は#1-3
録音について
作曲者・曲名 | H.カサドシュ・ヘンデルの様式によるヴィオラ協奏曲 |
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演奏形態 | ヴィオラ協奏曲 |
ソリスト | ウィリアム・プリムローズ(va) |
指揮者 | フリーダー・ヴァイスマン |
オーケストラ/伴奏 | RCAビクター管弦楽団 |
録音年 | 1946 |
レーベル | NAXOS |
名盤チャート
名盤ポイント
流石は20世紀最高のヴィオリスト重鎮の18番、バロック曲風だけど甘さのある曲自体の面白さとも相まって一瞬で惹き込まれる名演。
ヴィオラはバイオリンに比べて低音楽器なので、音の輪郭が曖昧に聴こえがちなところを、プリムローズの弦の見事な鳴らし方と豊かなビブラート、楽器の大きさを感じさせない鮮やかでクイックな奏法のおかげでスケールの大きな音楽に浸ることができる。
長年20世紀最高のバイオリニストであるハイフェッツのベストパートナーとして多くの協奏曲や室内学で音を耳にする一方、あまり多くないヴィオラが主役の作品バリエーションを世に知らしめた貴重な録音。
RCAビクター交響楽団の一歩引いたオーケストレーションもプリムローズの演奏スタイルを存分に楽しめる名盤となっている。