名盤のサマリー
何を隠そうバイオリン4大協奏曲のひとつがチャイコフスキーの作品。(あと3つはメンデルスゾーン、ブラームス、ベートーベン)
チャイコフスキーが1877年にイタリアとスイスを訪れた際にインスピレーションを受けて書き上げた名曲として、多くのクラシックファンに人気がある。
ロシアの作曲家ということもあって、ハイフェッツやオイストラフなどのロシア系巨匠バイオリニストの名盤が目白押しだが、今回取り上げる演奏家はハイフェッツと同じアウアー門下生のナタン・ミルシテイン。
ミルシテインのあっさりと弾き進めていながらも、磨き上げられた技術と哀愁を存分に味わえる名盤となっている。
↓該当の曲は#7-9
録音について
作曲者・曲名 | チャイコフスキー・バイオリン協奏曲 |
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演奏形態 | バイオリン協奏曲 |
ソリスト | ナタン・ミルシテイン(v) |
指揮者 | シャルル・ミュンシュ |
オーケストラ/伴奏 | ボストン交響楽団 |
録音年 | 1953 |
レーベル | NAXOS |
名盤チャート
名盤ポイント
正直、このチャイコフスキーのバイオリン協奏曲は、上記通りハイフェッツやオイストラフの名盤があって、二人とも個性が爆発していてこってりと味わい深い。
一方で、ミルシテインは比較的に線が細く薄味に聴こえがちだが、伸びのあるビブラートや高貴なフレージングによって、壮大なこの曲の輪郭をはっきり伝えてくれる。
アバド指揮&ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(1972年)との録音も、円熟味を増したミルシテイン節を堪能できるが、個人的にはミュンシュ指揮&ボストン交響楽団で録音した当盤が、曲の最初から最後までチャイコフスキー音楽に漂うロシアの壮大な自然観を感じられ、再現芸術を存分に楽しむことができる名盤となっている。