名盤のサマリー
モーツァルトはバイオリン協奏曲を全7曲を遺していて、当アルバムにはその内の5曲が収録されている。
19歳の頃ザルツブルグに6ヶ月間滞在し、その短い期間にこの5曲を完成させたことから、別名ザルツブルグ協奏曲とも呼ばれる有名なもの。(特に5番は「トルコ」とも呼ばれ完成度が最も高い作品)
名盤として取り上げるのはベルギー出身のアルトゥール・グリュミオー(vn)。モーツァルトを弾かせて右に出るものはいない(と個人的に思っている)。
グリュミオーの圧倒的な美音とクセのない世界観が、モーツァルトの曲に漂う貴族的な華やかなさをより一層引き立てている。
録音について
作曲者・曲名 | W.A.モーツァルト |
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演奏形態 | バイオリン協奏曲 |
ソリスト | アルトゥール・グリュミオー |
指揮者 | サー・コリン・デイヴィス |
オーケストラ/伴奏 | ロンドン交響楽団 |
録音年 | 1961-1964 |
レーベル | DECCA |
名盤チャート
名盤ポイント
グリュミオーの演奏がもっともモーツァルトっぽいというか、どの演奏家よりも作曲家の肉筆の楽譜から飛び出したような音楽が聴こえるような気がする。
何よりもグリュミオーの持つ非常に透明度の高い美音を心ゆくまで堪能できる曲がモーツァルトで、これがチャイコフスキーだと壮大すぎて、バッハだと厳しさが足りないというか、とにかくシンプルに巨匠の素材の味を存分に楽しめ、演奏家と作曲家の相性が非常に良い。
音のスタートから次の音に変わるまで安定した音の響きとビブラートは天下一品。
他にありそうでない、クセになる、そんな名盤なのでご視聴あれ。