名盤のサマリー
20世紀のロシアの大ピアニスト、ホロヴィッツの好きなショパン作品を録れたアルバム。
ホロヴィッツはショパンのコンプリート版やライブ版など音源には事欠かないけれど、エチュードやワルツ、マズルカの十八番ショーピースを中心にコンパクトに纏めており、ホロヴィッツ入門編にぴったりの名盤。
ホロヴィッツのショパンを聴いてみて興味があれば、是非他の演奏家とも比較したり、コンプリート版で聴きこんでみるのも面白い。
音色、歌い方において比類のないピアノ演奏を感じることが出来るはず!
録音について
作曲者・曲名 | フレデリック・ショパン |
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演奏形態 | ピアノ独奏曲 |
ソリスト | ウラディミール・ホロヴィッツ (1903-1988) |
指揮者 | なし |
オーケストラ/伴奏 | なし |
録音年 | 1971 |
レーベル | – |
名盤チャート
名盤ポイント
ショパンの線の細さを思い起こさせるような虚ろで弱弱しい音に耳を傾けていると、突然の発狂を感じさせるような鋭く、爆発的な打鍵。
思うがまま感じるがままに演奏しているように見えつつも、圧倒的な技術とショーピースとして磨き上げられた音楽表現によって、他のどの演奏家にも似つかない複雑で繊細な味を持っている。
例えば、#09 バラード第一番 ト短調 op23 の後半。
木枯らしが吹くような情景を浮かべながら耳を傾けてみると、台風の中で踊り狂っているようなハチャメチャ感に驚く。けど終わってみるとちゃんと音楽として纏まっている。
そんなホロヴィッツの独特なショパン解釈は聴衆の賛否が分かれる所ではあるけれど、彼の演奏でしか味わえない没入感、感情の起伏の激しい圧倒的なピアニズムを、ホロヴィッツのFavrite Collection として味わえる詰め合わせ名盤となっている。