名盤のサマリー
バロック時代の1730~31年にかけてバッハによって作曲された、2人のソリストとオーケストラで演奏されるバイオリン協奏曲。
ドイツ語でドッペル(doppelt=二重の)協奏曲とも呼ばれ、ソリストそれぞれが似た旋律を演奏し織物のように音楽を奏でる点が特徴。両者の掛け合いやバランスが肝となるため、タイプが似た演奏家同士がタッグを組むケースが多く、親子や一人二役の二重録音を行うケースもある。
こちらの名盤はロシアの巨匠ダヴィッド・オイストラフと息子のイゴール・オイストラフによる親子共演。
↓対象の演奏は#7〜9
録音について
作曲者・曲名 | バッハ・2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 |
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演奏形態 | バイオリン協奏曲 |
ソリスト | ダヴィッド&イゴール・オイストラフ親子(vn) |
指揮者 | ユージン・グーセンス |
オーケストラ | ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
録音年 | 1962 |
レーベル | Gramomphon |
名盤チャート
名盤のポイント
まずはバッハということでメロディが分かりやすくオーケストラの迫力もあるため、クラシックに馴染みがない方にも聴きやすい曲。
そんなバッハの荘厳な曲構成に、無駄を削ぎ落し重めの音、弾き急ぐことなく雄大なテンポが非常にマッチ。
余人に代えがたい自分の音を持つ父ダビッドとのペアリングで、演奏に差が付くかと思いきや、両者の掛け合いでは子イゴールも父と対等に張り合う厳しい演奏で、しっかりとバッハ音楽の骨組みと世界観を保っている点は、他の名盤と一味違うポイント。