推しメン演奏家を見つけて、好みのクラシックに出会おう

音楽との関わり方

クラシックって聴いてみたい興味はあるけどそこまで知識が無いし、結局どうやってクラシックを楽しんだら良いのかがわからないという声を多く耳にします。

確かにクラシックって作曲家だけではなくて交響曲やソナタ、協奏曲とか色々な形式があるし、演奏家までを選んで聴くってなったらほぼ無限バリエーションが存在します。

これではクラシックには少し興味はあっても、好みのイケてる曲に出会うまでのハードルが高すぎてなかなか聴く気になれませんよね。まずはイケてる曲を聴いてみないと興味も出てきません。

その問題への結論は、まず好みの推しメン演奏家を見つけてみる事です。

推しメン演奏家によって自分の好みの音や演奏が分かりますし、他の演奏家との比較も出来るようになりクラシック音楽の知識も深めていく事が出来ます。

そんな演奏家の音の違いや自分の好みなんてわかんないよという意見も聞こえてきますが、今回はそもそもどうして演奏家に注目したらいいのか、どうやって推しメン演奏家を見つけたら良いのか、理由も添えて方法をご紹介します。

クラシックが難しく感じられる理由

イケてる名盤を厳選してくれるメディアが少なく接点がない。

最初にクラシック音楽ではイケてる曲に出会うハードルが高いと書きましたが、これはクラシックにおいて名盤や名曲を厳選し、視聴者に刺さるようなコンテンツを発信しているメディアが少ない事が影響していると推察します。

本屋やレコードショップに行けば確かにクラシックに関連する書籍や音源が膨大にありますが、それは一次情報でフィルターもかけられておらず、初心者の方にとっては地図なしで樹海に飛び込むようなものですね。

まずは知識や蘊蓄の前に、感覚的にイケてると感じる名曲・名盤に出会う事が、クラシック初心者の方には大事なはずです。

クラシック音楽の構造が他のジャンルとは少し違う

ポップやロックとかであれば、作曲家と曲名で聴きたい演奏が特定出来るケースが多いですよね。

ただクラシック音源では作曲家が演奏するのは稀です。なので聴きたい曲を演奏する演奏家(アーティスト)まで絞る必要があります。(当時モーツァルトやベートーベンとか当時は自作自演をしていますが)

例えばベートーベンのピアノソナタ「月光」で調べても、ばーーっと膨大な音源が検索結果に出てくるはずです。

特定の聴きたい曲が好きでとりあえず聴きたいのであれば、演奏家に関わらず聴いてみるのが良いんですが、クラシックの醍醐味はこの同じ曲を多数のアーティストが演奏するところにあります。

となると、ここから結局どの演奏家を聴いたらいいの?という疑問も出てきますね。

クラシックには特徴的な曲名がない(ケースが多い)

もう一つクラシックの難しさに後押しするのが、特徴的な曲名がない点。

POPやロックであれば誰々の〇▽って曲で特定出来るのに、クラシックではモーツァルト作曲のピアノソナタ第何番第何楽章というような暗号のようになってしまいます。

クラシックの曲にほとんど名前が無いのは、そもそもクラシックが今のような大衆に聴かせる目的で作曲されておらず、作曲者自身が宮廷音楽BGMとして、自分だけが分かれば良かったという背景があるからです。

ピアノソナタ「月光」とか、交響曲「運命」とかの曲名をご存知かとは思いますが、これは興行主や挿入で使用された映画名からと、(お金儲けの下心で)聴衆にちゃんとアピール出来るように(本人の意図と関係なく)勝手に名付けられたものが殆どです。

作曲家や曲からではなく、演奏家に注目した方が良い理由

クラシックには上記のような構造的な難しさがあるのですが、クラシックの面白さを簡単に言うと、長い歴史の篩に掛けられた名曲を、優れたアーティストが演奏し、それを聴衆が比較して自身の好みを見つける事なんです。(勿論現代にも優れたクラシックの新曲が作曲され続けている事も申し添えておきます)

勿論、もしあなたがベートーベンの月光が好きで、アーティストは関係なく美しいメロディを楽しみたいというのは、それはそれでクラシックの大きな魅力の一つですし良いと思います。

ただクラシックを他のジャンルと横並びにした時に大きく異なる点は、今を生きる聴衆との接点が作曲家ではなく演奏家にあり、言い方は悪いですが名曲を生かすも殺すも演奏家に左右されてしまうという事です。

逆に言えば、名ヴァイオリニストや名指揮者を糸口にする事で、好みに即した名曲の名盤に触れる事が出来ます

また自分の推しメンを聴き込んでいく事で、他の演奏家と比較をする事が出来るようになり、比例して知識も深まっていく事で、クラシックの魅力を何倍にも楽しむ事が出来ます。

推しメン演奏家を探す方法(ヴァイオリニスト編)

前書きが長くなりましたが、今回はヴァイオリニストの推しメン演奏家探しに着目したいと思います。(またピアニストや指揮者バージョンも記事にします!)

それはメンコンの第一楽章の冒頭約1分のパンチラインを比較するという方法です。

例えば、プレイリストの最初にあるパールマン(Perlman)は現代最高の演奏家ですが、続くクライスラー(Kreisler) の温かくも気品のある演奏、またハイフェッツ(Heifez)の冷たくも聴こえ、他人を寄せ付けないようなサウンドとを比べると、いかにパールマンのオーソドックスな演奏スタイルとは方向性が異なるのがなんとなくわかると思います。

まずはそれだけで大丈夫です。興味があれば他の演奏者も聴き比べていくと僅かながらの差を感じるはずです。

もしその中からもし気に入った演奏家が見つかれば、その演奏家の録音レパートリーに触れる事で、彼らが得意とする名盤や隠れた名曲に出会う可能性が高まります。

メンコンプレイリスト

メンコンとは?

メンデルスゾーン作曲のヴァイオリンコンチェルトの略。

メンデルスゾーン(1809-1847)はドイツの作曲家で、多くの交響曲やオペラ、ピアノ名曲の残しています。

特にヴァイオリンコンチェルトOp.64(略してメン・コン)は1844年に作曲され、今日においてはベートーベン、ブラームスを合わせて三大ヴァイオリンコンチェルトと呼ばれています(チャイコフスキーを合わせて四大とも)。

メンコンが推しメン探しに適している理由

比較に適した印象的なメロディ

プレイリストを聴いて頂ければわかると思いますが、メンコン冒頭パンチラインのメロディは非常に美しく耳にも残りやすい事、またヴァイオリニストが冒頭から主旋律を演奏することにより、演奏家のスタイルが如実に現れるため比較がしやすいです。

オーケストラのバックが控えめなのも理由のひとつです。

膨大な録音数

メンコンは前述の通り三大ヴァイオリンコンチェルトで王道演目なので、過去のレジェンド達から現代の新進気鋭ヴァイオリニストまで録音が膨大で比較をするのが容易です。

このプレイリストには時代を超えて活躍する演奏家をピックアップしています。

当然メンコンの録音の全部が全部はカバーしきれず、(あと私のセレクトもまだまだ勉強が必要ですが)私の聴き込んだ中の名盤から、少々クセの強い演奏者も散りばめながらチョイスさせて頂きました。(私の主観はさておき、演奏家は皆、時代を超えて高い評価を得ている演奏家ばかりです)

まとめ

今回は、構造的に難しくなりがちなクラシック音楽を楽しむ方法の一つとして、メンコンを比較する推しメン演奏家の発掘をご紹介しました。

推しメンによっては録音自体が少なく、好きな曲やイケてる曲と出会う事が出来ないケースもあると思います。

イケてる曲の切り口に関しては浴びたいクラシックで様々な厳選・テーマ別のプレイリストの紹介や名盤の解説なども行いながら、様々な角度からイケてる名盤を紹介しみなさんに楽しんで貰えるようなコンテンツを提供していきたいと思います。

それでは!

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